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イラストの今を伝える「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」

目次

「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」とは?

イタリアのボローニャでは児童書専門の国際見本市ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」が毎年開催され、会場では絵本原画のコンクールが行われます。世界中の応募作品の中から選ばれた入選作は「タリア・ボローニャ国際絵本原画展」で紹介され、日本をはじめとする世界の国々を巡回。イラストレーションの今を伝え、観るものを楽しませてくれる人気の展覧会す。 

世界で唯一の児童書専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」

1964年にイタリア北東部のエミリア=ロマーニャ州の州都・ボローニャで始まった「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」は世界で唯一の児童書専門の国際見本市。毎年春に開催されるフェア会場では世界中の出版社や編集者、翻訳家、著作権エージェントなどが訪れてイラストレーターと商談を行ったり、コンクール、展覧会、ライブイベント、講演会など多数の催しが行われます。

1976年から始まった絵本原画のコンクール国際絵本原画展」では毎年数千点の応募作品が世界各国から届けられます。子どもの絵本のためのイラストを5点1組で応募すれば誰でも参加できる公募展で、未発表の作品や2年以内に絵本として発行した作品も応募でき、表現技法に制限も無く、国籍や出版歴の有無も問いません。

応募作品は編集者や絵本作家など世界中から選ばれた国籍と顔ぶれの異なる4~5名の審査員によって公平に審査され、入選すると絵本作家としてデビューを果たすきっかけを得たり、出版社に自分の作品をアピールするチャンスとなるため、新人作家の登竜門として知られています。2022年度は過去最多の92か国3,873組の応募があり、日本人4名を含む29か国78名が入選しました。

ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア公式サイト

https://www.bolognachildrensbookfair.com/home/878.html

西宮市大谷記念美術館から始まった日本の「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

1978年に兵庫県の西宮市大谷記念美術館において絵本原画のコンクール入選作品が展示され、日本での「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」の始まりとなりました。現在では東京の板橋区立美術館や石川県の七尾美術館など国内4~5か所を巡回するようになり、毎年恒例の展覧会として多くの人に親しまれています。

1階と2階の展示室ではすべての入選作品を一堂に展示。作者の生まれ育った環境や文化、時代が色濃く反映された個性豊かな作品が会場を彩ります。

技法はデジタルメディア、混合技法、版画、リソグラフ、切り絵、刺繍など様々用いられ、個々の世界観を絵と物語で自由に表現。友情や愛情、悲しみや喜びなどの感情をポップな色調でユニークに描いたもの、戦争と平和、海洋汚染といった社会問題を柔らかな画風で優しく伝えたもの、子どものみずみずしい感性を透明感のある色使いで繊細に仕上げたものなど、作品の持つ世界観に心を奪われます。

「子どもの絵本のためのイラスト」といったテーマから受ける印象とは異なり、大人もワクワクさせる魅力的な作品の数々。作家のこれからの活躍や今後の新しい作品との出会いを楽しみにさせてくれます。

西宮市大谷記念美術館公式サイト

http://otanimuseum.jp/bologna2022/

入選作家の絵本や展覧会の公式カタログも要チェック!

会場の特設コーナーには入選作家の絵本やグッズ、作家が過去に出版した絵本の他、優れた児童書に贈られる「ボローニャ・ラガッツィ賞」を受賞した本も手に取ってみることができます。

すべての入選作が掲載された展覧会の公式カタログ(図録)は会場と公式サイトのオンラインショップで販売。過去に開催された展覧会のカタログも購入できるため、遠方で会場に足を運べなかった方や買いそびれてしまった方におすすめです。

西宮市大谷記念美術館公式サイトオンラインショップ

http://otanimuseum.jp/store.html

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